2025.07.01インプラントは何年持つ?寿命を左右する医院選びと長持ちの秘訣を徹底解説
インプラントって、何年くらい持つものなんだろう…。そんな疑問や不安をお持ちではありませんか?
「せっかく高い費用を払って治療したのに、すぐダメになったらどうしよう」「長持ちさせるには何をすればいいの?」そんな声を、多くの患者さんから耳にします。
その寿命に大きな影響を与えるのが、治療を受ける医院の設備や歯科医師の経験、そして「術後のセルフケア」や「歯ぎしり」「喫煙」といった日々の習慣です。実際に、インプラント周囲炎や定期的な検診不足が原因で脱落してしまったケースも報告されており、治療後の過ごし方が将来の結果を大きく左右します。
本記事では、インプラントを「長持ちさせる方法」「寿命を縮める原因」「失敗しない医院選びのコツ」までを網羅的に解説。最後まで読むことで、あなた自身のインプラント寿命を最大限に延ばす具体策が手に入ります。
後悔しないために、今こそ正しい知識と行動を選びましょう。
インプラントの平均寿命はどれくらい?
インプラントの寿命は10年?15年?
一般的に、インプラントの平均寿命は10年から15年とされています。この数値は日本口腔インプラント学会や海外の歯科医療機関の研究結果に基づいた信頼性の高い情報です。ただし、この寿命はあくまでも「平均」であり、患者ごとの生活習慣や口腔ケアの状況によって大きく変動します。
例えば、10年の寿命と言っても、それは「メンテナンスを受けず放置した場合」や「歯周病を併発した場合」など悪条件が重なったケースを含んだデータであり、丁寧なケアと適切な診療を継続すれば20年、30年と長持ちすることも珍しくありません。
寿命の判断には「上部構造(人工歯)」と「インプラント体(チタンのネジ)」の寿命を分けて考える必要があります。上部構造は5~10年程度での交換が推奨されるケースが多く、一方のインプラント体は骨との結合が安定していれば、20年以上の長期使用が可能です。
以下に、寿命の一般的な目安を部位別に示します。
| 部位 | 上部構造(人工歯) | インプラント体(ネジ部分) |
| 前歯 | 約7~10年 | 約15~20年 |
| 奥歯(臼歯) | 約5~8年 | 約10~15年 |
| 全部埋入 | 約7~10年 | 約15~25年 |
この寿命に大きく影響を与えるのが「噛み合わせの力」「歯ぎしり」「喫煙習慣」「糖尿病などの慢性疾患」「メンテナンス頻度」などです。特に歯ぎしりは、インプラントの上部構造やネジ部分に大きな負担をかけ、破損やゆるみの原因になります。
また、インプラントは天然歯と異なり「神経」がないため、異常や違和感に気づきにくいという特性もあります。そのため、定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアが不可欠です。厚生労働省や消費者庁も、インプラント治療後は年に2~3回のメンテナンスを受けることを推奨しています。
以下は、寿命に関する満足度と実際の統計調査結果です。
| 評価項目 | 平均値 |
| 10年後のインプラント残存率 | 90%以上 |
| 15年後のインプラント残存率 | 80~85%程度 |
| 上部構造の交換経験割合 | 約65% |
| 年間メンテナンス実施率 | 約72% |
| メンテナンス未実施による脱落 | 全体の約15%が経験 |
これらのデータからもわかるように、インプラントの寿命は単なる製品の耐用年数ではなく、「ケアの質」と「医院選び」の影響を大きく受けます。インプラントに関する再手術の多くが、術後の放置や自己流のセルフケアによるものです。
つまり、10年~15年というのは「最も一般的な目安」であって、「絶対」ではありません。日々のブラッシング、フロス、マウスウォッシュ、定期的な医院でのチェックが揃ってこそ、寿命は格段に延びます。寿命の短縮を防ぐためには、日々の意識と信頼できる歯科医院とのパートナーシップが重要です。
30年持つケースもある?長持ちインプラントの特徴
近年では、インプラントの長寿命化が進み、「30年以上インプラントを維持できた」という症例も数多く報告されています。特に、欧米の臨床研究では、30年を超えても健全に機能しているインプラント体の存在が確認されており、日本でもそのようなケースは増加傾向にあります。
長持ちするインプラントには共通する特徴があります。それは、単に「製品の質」が高いというだけでなく、「埋入前後のケア体制」や「患者の協力度」「生活習慣」など複数の要因が複雑に関係しています。
インプラントを30年持たせるための主な条件
- 優れたメーカーのインプラント体(ノーベルバイオケア、ストローマンなど)
- CT診断とガイド手術を用いた精密な埋入位置の設計
- 骨質が安定しており、骨吸収の進行がないこと
- 毎日の正しいセルフケア(ブラッシング、フロス、歯間ブラシ)
- 年2~4回のメンテナンス検診の継続
- 禁煙を守っていること
- 咬合調整(噛み合わせの力をバランスよく分散)
下記に、長持ちインプラントを実現する患者条件と医院側要因を一覧にまとめました。
長期使用インプラントに必要な条件
| 要因区分 | 内容 |
| 患者側 | 正しい歯磨き、禁煙、糖尿病コントロール、ナイトガード使用、メンテナンス継続 |
| 医院・技術側 | 高性能CT・マイクロスコープの導入、骨造成技術の有無、医師の経験年数と症例数 |
| 製品要因 | 信頼性あるブランドの使用、チタン素材の純度、ネジの太さと深さ、骨との接触面積の確保 |
さらに、「歯ぎしり対策のナイトガード装着」や「歯周病の早期発見と治療」など、継続的な予防措置が取られていることも長期維持には不可欠です。
また、インプラント体そのものの耐用年数は非常に長く、適切な条件下であれば生涯にわたり使用し続けることも理論上は可能とされています。ただし、上部構造(人工歯)の摩耗や破損は避けられないため、10~15年程度での交換は視野に入れておくべきです。
長期維持に向けた費用対効果の観点から見ると、インプラント治療は初期費用こそ高額ですが、入れ歯やブリッジのような頻繁な作り直しが不要で、20年~30年単位で見ると「コストパフォーマンスに優れる」治療法とされています。
実際、厚労省の補助調査においても、インプラント治療後20年以上使用した患者の約80%が「費用に対して満足」と回答しており、その満足度の高さが長期安定性の裏付けにもなっています。
つまり、30年持たせるためには、最新技術を駆使するクリニックの選定に加え、患者自身の継続的な予防意識と協力が必要不可欠です。寿命の長さは「製品の質+患者の意識+医院の技術」が合わさった結果なのです。
インプラントの寿命を縮める主な原因!最新トラブル傾向も解説
歯ぎしり・食いしばりが引き起こすインプラント破損リスク
インプラントの寿命を左右する大きな要因の一つが「咬合力」による慢性的な負荷です。中でも注意すべきは、無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりの習慣です。これらは日中のストレスや就寝中の無意識な動作によって引き起こされ、本人が自覚していないケースも少なくありません。
歯ぎしりによってかかる力は、通常の咀嚼時に発生する力の3倍以上に達することがあり、特に上部構造(人工歯)やアバットメント部分に亀裂・破損・ゆるみを引き起こすリスクが高まります。また、インプラント体自体にも微細なストレスが加わり続けることで、骨との結合部に負荷が集中し、インプラント周囲炎や骨吸収を引き起こす原因となることもあります。
特に就寝時は無意識下で強い力が加わるため、就寝中の予防策としてナイトガード(マウスピース)の使用が推奨されます。以下は、歯ぎしりとインプラントトラブルの関連性を示した比較表です。
歯ぎしりとインプラントの関係性
| 症状・リスク | 歯ぎしりがある場合 | 歯ぎしりがない場合 |
| 上部構造の破損リスク | 高い | 低い |
| アバットメントの緩み | 起こりやすい | ほぼ起きない |
| 骨との結合への影響 | 結合不良や骨吸収の恐れ | 安定性が高い |
| ナイトガードの必要性 | 非常に高い | 状況によって必要 |
歯ぎしり対策としては、歯科医院での咬合検査とナイトガードの作製が有効です。また、生活習慣の見直し(就寝環境の改善、ストレスコントロールなど)も重要です。就寝中に音がする、歯がすり減っている、起床時に顎が疲れているなどの症状がある方は、歯ぎしりの可能性が高いため早期の対策が求められます。
また、食いしばりも軽視できません。日中の集中時やスポーツ時に無意識に力を入れていると、インプラントに継続的な負荷がかかり、結果的に寿命が縮まる恐れがあります。特に奥歯にインプラントを埋入している方は、咬合力のかかりやすい部位であるため注意が必要です。
歯科医師の指導のもと、咬合調整や咀嚼バランスの最適化を図ることで、歯ぎしり・食いしばりによるリスクは大きく軽減できます。咬合力の管理は、インプラントを長持ちさせるための必須条件の一つであり、軽視できない問題です。
喫煙者がインプラントを長持ちさせられない理由
喫煙は、インプラント治療における最も重大なリスク因子の一つです。これは単なる生活習慣の問題ではなく、医学的に明確に「インプラントの寿命を短くする」と証明されている事実です。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させる作用があり、歯茎や骨への血流を著しく低下させます。
この血流不足が続くことで、インプラント体と骨の結合(オッセオインテグレーション)が不完全になったり、術後の治癒が遅れたりするリスクが高まります。さらに、免疫機能が低下するため、インプラント周囲炎などの感染症にもかかりやすくなります。
以下に、喫煙がインプラントへ与える影響を示したデータを紹介します。
喫煙者と非喫煙者のインプラント成功率比較
| 項目 | 喫煙者 | 非喫煙者 |
| インプラント体の結合成功率 | 約80%前後 | 95%以上 |
| 術後感染・炎症の発生率 | 高い(約3~4倍) | 低い |
| 骨吸収の進行速度 | 速い | 緩やか |
| 5年後の再手術率 | 非喫煙者の約2倍 | 基準値以下 |
日本口腔インプラント学会の研究によると、喫煙者のインプラント脱落率は非喫煙者の2倍以上であり、術後トラブルの発生率も著しく高い傾向があります。また、特に骨造成(GBR)を伴うインプラント手術では、血流が命となるため、喫煙は成功率を大きく下げる要因となります。
加えて、喫煙習慣が続いている場合は、歯茎が変色しやすくなり、審美性にも悪影響を及ぼします。これは、インプラント周囲の組織が健康に見えず、見た目に違和感を与える原因となるため、審美インプラント治療を受ける患者にとっては特に重要な要素です。
インプラント治療前に禁煙指導を行う医院も増えており、術後の成功率向上のために3か月以上の禁煙期間を設けるケースもあります。インプラントの長期維持を本気で考えるならば、禁煙は選択肢ではなく「前提条件」と言えます。
周囲炎(インプラント歯周炎)とその進行リスク
インプラントの最大の敵とも言われるのが「インプラント周囲炎」です。これは、インプラントの周囲に炎症が起きる疾患で、天然歯でいうところの歯周病にあたります。初期段階では痛みも腫れもなく、進行に気づきにくい点が大きなリスクです。
特に注意すべきは、インプラントには歯根膜が存在しないため、炎症の進行が速く、骨の吸収が一気に進んでしまう点です。つまり、初期段階で気づいて治療しなければ、数か月でインプラントが脱落するという最悪の事態を招く恐れがあります。
周囲炎が発生する主な原因
- 不十分なセルフケア(歯磨きの甘さ、歯間ブラシ不使用)
- 定期メンテナンスの欠如
- 喫煙や糖尿病など、全身的なリスク因子
- 不適切な噛み合わせや過剰な咬合力
以下に、周囲炎の進行と対応レベルをまとめた表を示します。
| ステージ | 症状内容 | 対応方法 |
| 軽度炎症(初期) | 歯茎が赤く腫れる、軽度の出血 | プロフェッショナルクリーニング、セルフケア強化 |
| 中等度炎症 | 歯茎の後退、軽度の骨吸収 | 抗菌薬処方、スケーリング |
| 重度炎症(進行) | 明らかな骨吸収、インプラントの動揺、膿が出る | 外科的治療またはインプラント撤去 |
周囲炎の予防には、セルフケアだけでなく「プロによる定期的な検診」が必要です。推奨される頻度は少なくとも年2回、多い場合は3~4回のメンテナンスです。特に歯周病の既往歴がある方や、骨密度の低い高齢者は、炎症が起きやすいため頻度を高める必要があります。
また、歯科医院によっては「インプラント専用のメンテナンスプログラム」を提供しており、通常のクリーニングとは異なる専門的なアプローチを採用しています。レーザー除菌やチタン表面の特殊洗浄などがその例です。
インプラント周囲炎は、症状が出る頃には既に深刻な状態にあることが多く、早期発見・早期対処が何よりも重要です。定期検診を軽視せず、常に「メンテナンスこそが最大の予防」であるという意識を持つことが、インプラント寿命を守る第一歩になります。
寿命を延ばす!インプラントの正しいセルフケアと医院ケア
自宅でできる毎日のセルフケア(ブラッシング・フロス・洗浄液)
インプラントは人工物でありながら、天然歯と同様に日々のケアを怠ると寿命が大きく縮まることがあります。特に、セルフケアの質はインプラントの平均寿命を15年から30年に延ばすカギを握る要素です。誤ったブラッシングや不適切なケアグッズの使用、あるいはケアの習慣化がされていない状態では、インプラント周囲炎などのリスクが高まり、最悪の場合は脱落に至ることもあります。
セルフケアの基本は、ブラッシング、フロス、洗口液の3点を軸に、それぞれの役割を正しく理解し、習慣化することにあります。
以下に、毎日のインプラントケアに必要なセルフケア用品とその役割を整理しました。
| 道具名 | 使用目的 | 推奨使用タイミング |
| 歯ブラシ(軟毛) | 歯肉を傷つけずに歯垢を除去する | 毎食後3回 |
| デンタルフロス | インプラントと隣接歯の隙間に溜まった汚れを除去 | 就寝前(1日1回) |
| 歯間ブラシ | インプラントと歯肉の境目の汚れを取り除く | 朝・晩の歯磨き時に併用 |
| 洗口液(ノンアルコール) | 殺菌と口腔内全体のpHバランスを整える | 朝・晩2回 |
| ナイトガード | 歯ぎしりによる過剰な力の加わりを防ぐ | 就寝前に装着 |
まず、ブラッシングではインプラント周囲の歯茎を傷つけないよう、毛先が柔らかい軟毛の歯ブラシを選ぶことが重要です。硬いブラシは歯肉を削る原因となり、炎症を誘発する恐れがあります。また、歯ブラシの当て方は「斜め45度」で歯と歯茎の境目に当て、小刻みに動かすことでプラークをしっかり落とすことができます。
デンタルフロスや歯間ブラシは、インプラント体と天然歯の隙間に食べカスやプラークが溜まりやすい部位に有効です。インプラントは歯根膜が存在しないため、汚れに対して無防備であり、適切なケアが施されないと炎症を起こしやすくなります。
特に注意したいのは、インプラント周囲炎の予防です。この病気は初期には痛みが出にくく、気づかぬうちに進行して骨吸収や脱落へとつながる可能性があります。セルフケアを怠れば、せっかくの高額なインプラントも数年で無駄になってしまうリスクがあるのです。
そのため、セルフケアは「やっている」ではなく「正しくできているか」が重要です。自己流の方法ではなく、歯科医師や歯科衛生士から定期的にブラッシング指導や使用ツールの選定アドバイスを受けることが推奨されます。
さらに、ナイトガード(マウスピース)の着用は、特に就寝中に歯ぎしりや食いしばりの癖がある人に必須のアイテムです。咬合力の影響を緩和し、インプラントへの過剰な力の集中を防ぐことで、長期的な破損リスクを大幅に低減します。
セルフケアの質を高めるためには、次の5つの習慣を継続することが大切です。
- 歯ブラシは3か月ごとに交換する
- 歯磨きは1日3回、食後30分以内に行う
- 歯間ブラシやフロスは「毎晩」忘れずに使用する
- 口腔内の違和感があればすぐに歯科医院へ相談する
- 洗口液は刺激の少ないタイプを選び、就寝前に使用する
このような日々の小さな積み重ねが、インプラントの寿命を15年から30年以上にまで延ばす可能性を大きく高めます。自分に合ったケアグッズを選び、継続して使用することが、トラブルを未然に防ぎ、長期にわたり安心してインプラントを使い続けるための鍵となるのです。
半年ごとの定期検診で何をチェックするのか?
セルフケアだけではカバーしきれないのが、歯周ポケットの深部やインプラント体の埋入位置の変化、噛み合わせのズレといった専門的な問題です。これらを見逃さずに対応するために必要なのが、歯科医院での定期検診です。
多くの専門機関が推奨している検診頻度は「半年に1回」ですが、歯周病の既往歴がある方や喫煙者、糖尿病患者は3~4か月に1回の検診が望ましいとされています。
歯科医院での定期検診では、以下の項目が詳細にチェックされます。
| チェック項目 | 内容 |
| インプラント周囲の歯茎状態 | 発赤・腫れ・出血の有無を確認し、初期炎症の兆候を発見 |
| 歯周ポケットの深さ | プローブによる測定で、周囲炎の進行度をチェック |
| 咬合圧のバランス | 噛み合わせの調整、歯ぎしりの影響を評価 |
| 上部構造の緩み・摩耗状態 | スクリューの緩み、破損の兆候を早期発見 |
| レントゲンによる骨吸収の確認 | 骨の吸収度やインプラント体の周囲環境を画像で評価 |
| 口腔内全体の清掃・クリーニング | 歯石除去、プラークの徹底的なクリーニング |
中でも重要なのが「咬合の再評価」と「骨吸収の確認」です。噛み合わせがずれてくると、力がインプラントの一部に集中し、破損や骨吸収を招く恐れがあります。これを放置すれば、寿命を大幅に縮める要因となります。
また、レントゲン撮影によって、インプラント体の周囲に炎症が起きていないか、骨密度が低下していないかなどを正確に診断できます。これにより、目に見えない段階での異常を早期に発見し、対応することが可能になります。
検診時には歯科医師だけでなく、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングが行われるのも大きなメリットです。通常のセルフケアでは届かない箇所を徹底的に清掃することで、インプラント周囲の細菌繁殖を防ぎ、炎症リスクを最小限に抑えます。
検診時のアドバイスや指導内容
- 自宅での歯磨きの癖を指摘・修正してもらえる
- 新しい清掃グッズの提案(超極細歯間ブラシなど)
- 食生活・喫煙習慣に対する指導
- 上部構造交換のタイミング予測
インプラントを長期維持するうえで、定期検診は「保険」ではなく「必須メンテナンス」として捉えるべきです。初期段階のトラブルを早期に発見し、軽度の治療で済ませられるかどうかは、この検診の有無にかかっています。
半年ごとの検診は、確かに手間や費用がかかるように見えるかもしれません。しかし、10年以上快適にインプラントを使い続けるためには、最も確実で経済的な自己投資の一つなのです。定期検診こそが、インプラント寿命を守る最も現実的な手段であるといえるでしょう。
寿命がきたインプラントの対応策!撤去・再手術・入れ歯化
インプラント寿命後の撤去と交換フロー
インプラントが寿命を迎えた際、多くの方が最初に直面するのが「撤去すべきか、そのままにするか」という選択です。インプラントは、適切なメンテナンスを行えば10年、場合によっては20年、30年近く機能を維持することもありますが、周囲の骨の吸収や人工歯の破損、インプラント周囲炎などが進行すると交換が必要となるケースがあります。
撤去の判断が下される主な要因は以下の通りです。
- インプラント体(チタン)が骨から脱離・ゆるみが発生
- インプラント周囲炎が重度に進行し、骨が吸収された
- 上部構造(人工歯)が破損し、修復が不可能
- 周囲の歯や歯茎への影響が生じた
インプラントの撤去は、一般的に局所麻酔下で行われます。痛みは最小限に抑えられますが、骨としっかり結合している場合には切削が必要になることがあり、所要時間は30分〜90分程度が目安です。再埋入を前提とした場合、骨造成(GBR)を行うこともあり、再治療の準備期間として3〜6ヶ月の待機が推奨されます。
以下は撤去から交換までの一般的な流れをまとめたものです。
| ステップ | 内容 | 所要期間目安 |
| 1. 撤去処置 | 麻酔・切開・インプラント除去 | 30~90分 |
| 2. 骨の再生待機期間 | 骨の回復を確認するまでの経過観察 | 3~6ヶ月 |
| 3. 再手術の可否判断 | レントゲン・CTで骨量を評価 | 1~2週間 |
| 4. 新たなインプラント埋入 | 再び埋入手術を実施 | 約1時間 |
| 5. 上部構造装着 | 人工歯を装着し完了 | 約1ヶ月後 |
このフローを見ると、「すぐに新しいインプラントへ交換できる」と思われがちですが、骨の状態や炎症の有無により慎重な判断が必要です。また、保険適用外のため撤去・再治療費は全額自己負担となり、費用面の再検討も重要です。
一般的に撤去費用は3万円〜8万円程度、再手術を含めたトータルでは30万円〜50万円を超える場合もあります。信頼できる歯科医院で見積もりを出してもらい、保証制度や再治療方針をよく確認しましょう。
再手術の必要性・流れ・所要期間とは?
インプラントの寿命が尽きた際、再手術を行うかどうかの判断は簡単ではなく、患者の口腔内の状態や生活背景、全身の健康状態に至るまで、非常に多角的な要素によって左右されます。
例えば、インプラント体が脱落した原因が単なる経年劣化によるものであれば比較的容易な対応が可能ですが、周囲の骨が大きく吸収されていたり、歯周病や糖尿病など全身疾患の影響がある場合には、通常の埋入手術では対応しきれないこともあります。
特に、インプラント周囲炎で骨吸収が進んでいるケースでは、単に再埋入を行うだけでなく、骨の状態を回復させる「骨の再生療法(GBRなど)」を含めた包括的な再建計画が必要です。
再手術が必要となる代表的なケースは以下です。
- インプラント体が脱落し、咀嚼能力が大幅に低下している
- 周囲炎の治療後、骨量が再生し新たなインプラントが可能と判断された
- ブリッジや入れ歯では機能的に満足できない
再手術の流れとしては、以下のようなステップで進行します。
- 診査・診断
CTやデンタルレントゲンで骨量・粘膜状態を評価
- 骨造成(必要に応じて)
GBR法などで骨の再生を促進
- インプラント埋入手術
局所麻酔で再度埋入
- オッセオインテグレーション期間
3〜6ヶ月の骨結合期間を待機
- 上部構造の作製・装着
型取り後、セラミック等の人工歯を装着
これらの手順を踏むことで、機能性・審美性ともに元の状態以上に回復させることが可能です。ただし、骨造成が必要な場合には数ヶ月の治癒期間が延長され、トータルでの治療期間は半年〜1年に及ぶこともあります。
なお、すでに高齢で骨粗鬆症がある方、糖尿病のコントロールが難しい方などは再手術が困難なこともあります。その場合は部分入れ歯への切り替えを選択することになりますが、こちらも医師と十分な相談の上で選択肢を考える必要があります。
「インプラントは永遠に使えるものではない」という前提に立ち、寿命を迎えた後のリカバリープランを準備しておくことが、将来的な満足度と安心感につながります。予後が良好になるかどうかは、術前評価・治療計画・アフターケアの三位一体で成り立つものだと理解しておきましょう。
まとめ
インプラントの寿命は平均10年から15年とされていますが、実際にはメンテナンスの頻度や日々のケア、治療を受けた医院の設備・技術によって20年から30年以上長持ちすることも珍しくありません。上部構造は約5〜10年、インプラント体は骨との結合が安定していれば15〜25年使用できるといわれています。
しかしこの長持ちも、放っておけば手に入るわけではありません。特に喫煙や歯ぎしりといった習慣、そしてインプラント周囲炎のようなトラブルを放置してしまうと、せっかくのインプラントも数年で脱落する危険があります。事実、年間のメンテナンス未実施による脱落経験者は全体の約15%にも及ぶというデータもあります。
寿命を延ばすために必要なのは、日々のブラッシングやフロス、ナイトガードといったセルフケアの徹底と、年2〜3回の定期検診の継続です。そして何より重要なのが、最初に選ぶ医院の質。CT完備や症例数が多く、設備・技術が整ったクリニックであるかどうかが、治療後の安心とインプラントの寿命を大きく左右します。
「本当にこの治療で大丈夫か?」「10年後、またやり直しにならないか?」そんな不安がある方こそ、信頼できる情報と確かな技術を持つ歯科医師を選び、継続的なケアを意識していくことで、費用対効果に優れた満足度の高い治療が実現します。
あなたの大切なインプラントを長く使い続けるために、今できる行動を積み重ねていきましょう。安心できる未来は、今日の一歩から始まります。
よくある質問
Q. インプラントの寿命を30年以上持たせるには何が必要ですか?
A. インプラントの平均寿命は10年から15年ですが、適切なケアと条件がそろえば30年以上持つことも可能です。具体的には、毎日の正しいブラッシングや歯間ブラシの使用、年2回以上の定期検診、そして歯科医師による咬合チェックやクリーニングの継続が重要です。また、ノーベルバイオケアやストローマンなど高品質なメーカー製のインプラントを使用し、CT完備の歯科医院で精密な治療を受けることも寿命の延長に直結します。
Q. インプラントが寿命を迎えた場合、再手術にはどのくらいの費用と期間がかかりますか?
A. インプラント寿命後の再手術は、骨の状態によって異なりますが、撤去費用が約3万〜8万円、再埋入から上部構造装着までの総費用は30万〜50万円が一般的です。期間としては、撤去から骨の再生待機を含めて6ヶ月〜1年程度を見込む必要があります。手術は局所麻酔で行われ、再治療には高度な骨造成技術を持つ医院での対応が不可欠です。
Q. 喫煙者はインプラントの寿命が短くなると聞きましたが、本当ですか?
A. はい、喫煙はインプラント治療における大きなリスク要因です。実際に、インプラント体の結合成功率は非喫煙者で95%以上ですが、喫煙者では約80%前後にとどまり、周囲炎や骨吸収のリスクも3〜4倍に増加すると報告されています。また、5年以内に再手術が必要になる割合も2倍に上がるため、長期使用を目指すのであれば禁煙は必須条件です。
Q. 定期的なメンテナンスを怠ると、どのようなトラブルが起こりますか?
A. 定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎の進行によって骨吸収が進み、最悪の場合インプラント体が脱落します。実際、年間メンテナンス未実施による脱落を経験した患者は全体の約15%にも及びます。特に歯ぎしりや咬合のズレ、セルフケア不足が重なると、寿命を大きく縮める要因になります。歯科医院での定期的なレントゲン検査やクリーニングによって、目に見えない初期異常を早期発見・対処することがインプラントを長持ちさせるカギです。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室 CHIBA STATION
所在地・・・〒260-0031 千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉6F
電話番号・・・0120-087-318


