2025.05.16インプラント治療後のMRI検査で注意すべきリスクと最新対応策
MRI検査を受けたいのに、インプラントが入っていることで不安を感じていませんか?
「金属が反応して発熱したらどうしよう」「画像が乱れて診断に支障が出たら困る」──そう悩む方は少なくありません。
特にデンタルインプラントやオーバーデンチャーなど、体内にチタンや磁石を含む装置がある場合、MRIの磁力や電波がどう影響するのかは非常に気になるポイントです。実際に、検査当日に医師から撮影の延期を指示されるケースや、画像に支障が出たことで再撮影を求められることもあります。
しかし、近年ではインプラントの素材や構造に応じた対応が進んでおり、事前のチェックさえ適切に行えば、ほとんどの患者はMRI検査を安全に受けられるようになっています。実例として、磁場に影響を与えるとされる旧型デンチャーを外して検査した症例や、画像の一部に不具合が出たにもかかわらず診断精度に問題がなかったケースも存在します。
この記事では、MRI検査とインプラントのリアルな関係を、症例ベースでわかりやすく解説します。読後には、不安だった「自分のケース」がどのタイプに当てはまるのかが整理でき、医院での対応に安心して臨めるようになるはずです。安全性やリスクの最新情報を知って、不要な心配やトラブルを避ける一歩を踏み出しましょう。
MRI検査とインプラントの関係とは?最新の医療事情からわかる事実
インプラントをしていてもMRI検査はできるのか?
結論から述べると、多くのケースでインプラント治療を受けていてもMRI検査は受けることができます。ただし、すべての症例で「問題なし」とは言い切れないため、注意点や例外を正しく理解することが重要です。
まず理解しておきたいのは、MRIは強力な磁場と電波を使って体内の断層画像を撮影する医療用画像検査です。このため、金属が体内に存在すると、磁力による影響が発生する可能性があります。インプラントは一般的にチタンという磁性のない金属で作られており、MRI検査への影響はほとんどありません。
しかし、すべてのインプラントが同じではありません。以下に、MRI検査への影響を左右するインプラントの素材や構造の違いをまとめます。
インプラント素材別のMRI影響度
| インプラント素材 | 磁性の有無 | MRI検査への影響 | 備考 |
| チタン | なし | ほぼ影響なし | 現在最も一般的な素材 |
| チタン合金 | 少ない | 軽微な影響可能 | 磁場に微弱に反応する場合あり |
| ステンレス | あり | 注意が必要 | 古いインプラントに多い |
| 磁石付きオーバーデンチャー | あり | 検査前に取り外し必要 | 磁気に反応しやすい構造 |
素材に加えて、「上部構造の形状」や「装着部位」も影響要因となります。特に磁石を用いたオーバーデンチャーや磁力アタッチメントは、MRI検査中に磁場の影響を受けて不具合を生じる可能性があり、事前の取り外しが求められます。
また、インプラントの本体は骨内に埋め込まれているため、MRI画像に影響が出る場合は、主にその周辺の解剖部位(上顎洞や副鼻腔など)にノイズが映る可能性があります。ただし、画像診断自体が困難になるほどの支障が生じるケースは極めてまれです。
患者が知っておくべき重要なポイントとしては以下の通りです。
MRI検査前に患者が準備すべきこと
- 自身がどの素材のインプラントを使用しているかを歯科医院で確認しておく
- インプラント装着証明書やメーカーの情報を持参する
- MRI検査前に、問診表で正確にインプラントの有無と素材を記入する
- 必要があれば担当歯科医に連絡を取り、情報提供を依頼する
万が一、素材や構造の情報が不明なままMRI検査を受けた場合、画像にアーチファクト(画像の歪みやノイズ)が生じ、診断が難しくなる可能性もあるため、患者自身の情報管理が極めて重要です。
MRI検査を受ける際に不安を感じた場合は、事前に歯科医師と相談し、検査を行う放射線科やMRI技師と連携を図ることが望ましいです。医療機関によっては、インプラント情報を求められることもあるため、常に情報を携帯し、適切な申告を行う準備をしておきましょう。
なぜ「インプラント MRI できない」と言われるのか?誤解と正解
「インプラントを入れているとMRI検査はできない」と耳にしたことのある方は少なくありません。これは一部の情報が独り歩きしてしまっていることが原因であり、実際には医学的根拠が乏しい場合もあります。誤解が生じる原因と正確な情報を整理することで、不安を解消できます。
まず前提として、MRI検査では磁場の影響を強く受ける「磁性金属」が問題となります。チタン製のインプラントは非磁性体であるため基本的に安全とされており、医療用にも広く使用されています。しかし、過去には磁石を利用した義歯やステンレス製の構造体が使われていた時代があり、そこから「インプラント=MRI不可」という認識が広まったと考えられます。
特に注意が必要な構造は以下の通りです。
MRI検査で注意が必要なインプラント構造
- 磁石を用いた義歯やオーバーデンチャー
- ステンレス製や合金系の古いインプラント
- 脱離可能な上部構造の内部に磁石や金属バネを含むもの
- 歯科治療以外の体内インプラント(人工関節、人工内耳など)と混同されるケース
また、インターネット上やSNS、掲示板などでの誤った体験談や口コミが、「MRIで事故が起きた」「検査を断られた」などの不安を助長する原因にもなっています。実際には、事前に正確な情報を申告し、医療機関側で判断がなされることで、安全にMRI検査を受けられる場合がほとんどです。
この誤認を解消するためには、以下のような事実の理解が必要です。
よくある誤解と正しい知識の対比表
| よくある誤解 | 正しい知識 |
| インプラントがあるとMRI検査は受けられない | チタン製インプラントであれば基本的に問題なし |
| 画像にノイズが出るから検査できない | ノイズが出る場合もあるが診断には支障ないケースが多い |
| インプラント=危険 | 素材・構造を把握し申告すれば、安全に検査可能 |
| 医師に止められたからできない | 確認不足や申告不足が原因の場合もある |
さらに、現代の歯科医院では、インプラント治療後にMRIを含めた他の医療検査との整合性まで考慮して設計されることが一般的になっています。大手インプラントメーカーの製品の多くはMRI適合性を保証しており、事前に適切な説明がされているはずです。
患者として最も重要なことは、「情報を自ら持ち、医療機関と共有すること」です。インプラント治療に関わる全情報を管理し、MRIを受けるたびに確認を怠らなければ、事故やトラブルの大半は未然に防ぐことができます。
不安を解消するには、信頼できる医療機関での相談や、厚生労働省や日本磁気共鳴医学会などの公式見解を参考にすることが推奨されます。また、医師側も申告されたインプラント情報に基づき、検査装置の調整や撮影モードの選択を行うため、連携によって安全性は大きく向上します。
インプラントの素材別!MRI検査への影響比較
チタン製インプラントの安全性は?
MRI検査を受ける際、多くの患者が不安を感じる理由の一つが「体内に金属があると危険なのでは?」という懸念です。中でもインプラントに使用される金属の影響は気になるところですが、実は日本国内外の歯科治療で最も多く採用されているチタン製インプラントは、MRIとの相性が非常に良好な素材です。
チタンは磁力にほとんど反応しない「非磁性金属」であり、MRI検査中に強い磁場を受けても発熱や移動といった物理的な問題を引き起こしにくいという特徴があります。さらに、生体親和性にも優れており、体内でのアレルギー反応や腐食のリスクも極めて低いため、医療用金属として非常に信頼されています。
MRIとチタンの関係については、すでに多数の臨床データや学術論文でも安全性が報告されており、現在では、全国の歯科医院や大学病院においても「チタン製インプラントを理由にMRI検査を制限する」という対応はほぼ見られません。
ただし、MRI画像にまったく影響がないとは限らない点には注意が必要です。例えば、インプラントの周囲に位置する上顎洞や副鼻腔の領域を撮影する際には、わずかに画像にノイズ(アーチファクト)が生じる場合があります。とはいえ、診断を阻害するレベルではなく、多くの検査技師や放射線科医が撮影角度や条件を調整することで対応可能とされています。
以下に、チタン製インプラントとMRI検査に関する影響の有無を項目ごとに整理した表を掲載します。
チタン製インプラントとMRIの関係一覧
| 項目 | 内容 |
| 磁力への反応 | ほとんどなし(非磁性金属) |
| 発熱リスク | 極めて低い |
| 画像への影響 | 上顎洞周辺に軽微なノイズ(アーチファクト)を生じる場合あり |
| 検査の可否 | 原則としてすべての部位で検査可能 |
| 事前の申告の必要性 | あり(素材情報やメーカー名を提示することで安全確保) |
チタン製インプラントを装着している患者は、MRI検査を受ける際に不安を感じる必要は基本的にありません。しかし、検査を受ける医療機関には、インプラントの素材がチタンであることを明確に伝えることが推奨されます。特に、インプラント手帳や治療履歴を提示することで、検査技師が正確な判断を下しやすくなります。
また、万が一患者自身が素材について不明な場合には、インプラントを施術した歯科医院に問い合わせることで確認が可能です。MRIの安全性を確保するためにも、患者が自らの治療情報を把握し、医療機関と連携をとる姿勢が重要です。
チタン製インプラントの特性は、安心してMRI検査を受けられる環境を整える上で非常に優れており、現在の標準的なインプラント治療においては、MRIとの適合性という観点でも最も信頼のおける素材だと言えるでしょう。
ジルコニア・セラミックの特徴とリスク
チタン以外にも、近年では審美性やアレルギー対応を理由に、ジルコニア、セラミックなどのインプラント素材が注目されています。これらの素材はそれぞれ異なる物性を持ち、MRI検査時の影響も素材ごとに違いがあります。ここでは、それぞれの特徴と、MRIとの関係性を詳しく解説します。
まずジルコニアは、近年美容歯科などでも多く使用される酸化ジルコニウムを原料とした非金属素材です。金属アレルギーを起こさない点や白色の外観による審美性の高さから人気があります。MRIとの相性においても磁性を帯びておらず、磁場への反応は極めて小さいため、チタン同様に安全性の高い素材とされています。
一方、セラミックはクラウンや人工歯部分でよく使用されますが、純粋なセラミックインプラントとしての使用は限られます。セラミック自体も非磁性体でMRIには影響を及ぼさないとされていますが、内部に補強金属が含まれるタイプの場合は、その素材によっては磁力の影響を受ける可能性があるため注意が必要です。
以下に、主要な代替インプラント素材のMRI検査における比較表を示します。
インプラント素材別 MRI検査への影響比較
| 素材名 | 磁性の有無 | MRI影響度 | 特徴/注意点 |
| ジルコニア | なし | 極めて低い | 非金属、アレルギーに強い、審美性に優れる |
| セラミック | 基本的になし | 低い〜中程度 | 補強材に金属使用の可能性がある場合は要確認 |
MRI検査でリスクを最小限に抑えるには、装着している素材を把握することが第一です。特に、金合金や補強金属が含まれているセラミック系の構造物を装着している場合、画像への影響を考慮した上で、検査機関に正確な素材情報を伝える必要があります。
さらに、これらの素材が用いられているのが「インプラント体(歯根部)」なのか「上部構造(人工歯)」なのかによってもMRIへの影響は異なります。人工歯部分であれば、検査前に取り外しが可能なケースもあるため、撮影時の安全性と診断精度を両立しやすくなります。
素材によっては、MRI検査の可否に影響が出ることもあるため、以下のような項目を事前にチェックしておくことが重要です。
事前に確認すべきポイントリスト
1 インプラント素材が何であるか(チタン、ジルコニア、金合金など)
2 装着部位(インプラント体 or 上部構造)
3 金属補強が含まれるかどうか
4 取り外し可能かどうか
5 インプラント手帳や施術記録の有無
特に高齢者や複数本のインプラントを装着している患者は、すべての情報を正確に把握しておくのが望ましいです。検査当日の問診票や事前説明の際に正しく申告することで、不要なトラブルや検査キャンセルを未然に防ぐことができます。
素材の違いを正しく理解することは、MRI検査だけでなく、今後の治療計画や長期的なメンテナンス方針を立てる上でも重要な判断材料となります。安全性・審美性・耐久性すべてを考慮し、自身に最適なインプラント素材を選ぶ知識としてぜひ活用してください。
ケース別にみるMRI検査が難しいとされるパターン
オーバーデンチャー使用者のMRIリスク
オーバーデンチャーとは、残存歯やインプラントを支持基盤として用い、取り外し可能な人工義歯を装着する義歯治療の一種です。装着が容易で、咀嚼機能の回復や審美面にも優れていることから高齢者を中心に利用されています。しかし、MRI検査の際には、その構造上いくつかの問題点が報告されています。
まず、オーバーデンチャーの固定装置には、金属製のアタッチメント(磁石式、ボール式、バー式など)が使用されているケースが多く、これらの金属部品がMRIの強い磁場に反応してしまう可能性があります。とくに磁性を持つ金属が使用されている場合、以下のようなリスクが想定されます。
リスク例一覧
1 磁場による義歯の引っ張りやズレ
2 義歯が発熱することによる粘膜の損傷リスク
3 画像に強いアーチファクト(ノイズ)が発生し診断を妨げる
4 検査中の違和感や痛みが生じる
5 MRI機器自体に誤作動が起こる可能性(極稀)
とくに注意すべきは磁石式オーバーデンチャーで、内部に強力な磁石が使われている場合、MRI装置内での安全性が大きく損なわれます。日本磁気共鳴医学会のガイドラインでも、磁石を含む体内・体外機器に対する注意喚起がなされています。
以下に、オーバーデンチャーのアタッチメント別にMRI検査への影響度を表で整理します。
オーバーデンチャーの構造とMRIへの影響比較表
| アタッチメント形式 | 使用金属例 | MRI影響度 | 検査前に必要な対応 |
| 磁石式 | ネオジム磁石等 | 高 | 検査前に必ず取り外す |
| ボールアタッチメント | チタン、コバルト等 | 中〜高 | 素材を確認し、技師へ申告が必要 |
| バーアタッチメント | チタン、金合金等 | 中 | 必要に応じて専門医に相談 |
これらの義歯部品は、MRI検査直前に取り外しが可能であれば大きな問題にはなりませんが、固定式や患者自身での取り外しが難しいケースも存在します。その場合は、検査施設で放射線科医や歯科医師と連携し、安全に配慮した撮影方法(低磁場装置の使用や撮影角度の調整など)が求められます。
また、義歯の装着状態に応じて、事前に対応策を検討することも重要です。MRIの予約時に「オーバーデンチャーを使用している」と伝え、素材・構造の説明ができるようにインプラント手帳や治療記録を持参することが推奨されます。
特に高齢者では、複数のインプラント体と義歯を併用しているケースが多く、装着構造が複雑になりがちです。これにより、MRI検査中のトラブルリスクも上昇します。安全性を確保するためには、歯科医院と医療機関の情報連携を徹底し、患者自身も自分の口腔内状況を正確に把握しておく必要があります。
上顎洞を貫通したインプラントの影響
上顎部へのインプラント埋入時に、インプラント体が誤って上顎洞を貫通する事例があります。このような状態は、患者が気づかないまま経過することもあれば、MRI検査の際に初めて問題が発覚するケースもあります。
上顎洞は副鼻腔の一部であり、空洞構造を持つため、そこに異物(インプラント体)が侵入すると、感染・炎症・痛み・違和感といった症状が生じるリスクがあります。MRI検査ではこの空洞内の撮影が必要な場面も多く、インプラントの位置が問題となります。
とくに影響が出るのは、以下のようなケースです。
MRI撮影時に注意が必要なケース
1 インプラント先端が明確に上顎洞内に突出している場合
2 上顎洞炎や慢性副鼻腔炎を合併している場合
3 上顎洞穿孔後に骨再建をしていない場合
4 複数本のインプラントが密集している場合
5 術後に疼痛や鼻づまり等の症状が続いている場合
これらのケースでは、MRI画像上に金属によるアーチファクトが強く出て、上顎洞やその周囲構造の描出が不明瞭になることがあります。その結果、腫瘍や炎症、粘膜肥厚といった重要な疾患の診断に支障をきたす可能性があります。
また、上顎洞穿孔が大きく、インプラントが不安定な場合、MRI中の微細な磁力変化や体温上昇によって、わずかながら疼痛や違和感を感じるケースも報告されています。素材がチタンなどの非磁性体であっても、画像の精度や安全性という観点からは十分な配慮が必要です。
以下に、上顎洞貫通とMRIへの影響に関するポイントをまとめた表を掲載します。
上顎洞貫通インプラントとMRIの関係
| 項目 | 内容 |
| 画像への影響 | アーチファクトの発生により診断精度が低下 |
| 身体への影響 | わずかな疼痛・圧迫感の可能性(個人差あり) |
| 診断支障リスクがある部位 | 上顎洞、鼻腔、副鼻腔、眼窩底 |
| 必要な事前対応 | 歯科と医療機関の情報共有、穿孔の有無の確認 |
| 推奨される診断手段の併用 | CTとの併用による補完撮影 |
上顎洞穿孔が確認されている場合には、MRI単独での撮影ではなく、CTやパノラマX線画像など他の検査と組み合わせて、総合的な判断を行うことが望ましいです。また、必要に応じて耳鼻咽喉科との連携による副鼻腔評価が推奨されます。
患者自身が自覚症状がなくても、術後に撮影されたインプラントの位置や深度が記録された資料(例えばインプラント手帳、術後CT画像など)を所持している場合は、検査時に提出することで安全性の高いMRI検査が実現可能です。
インプラントとMRI検査の実例や体験談
検査前に外して対応した症例
インプラント治療を受けた方にとって、MRI検査を受ける必要が生じたとき、金属による影響について不安を抱くのは自然なことです。特に、着脱式の義歯や磁石を用いた構造を装着している場合、「MRIに悪影響を及ぼすのではないか」「検査を断られるのではないか」と心配し、受診をためらうケースもあります。しかし実際には、事前の情報確認と適切な対応によって、多くの検査が問題なく実施されています。
例えば、高齢の男性が膝の不調によりMRI検査を受けることになった際、事前の問診票に「口腔内に金属あり」と記入したところ、放射線技師からインプラントの種類を確認するよう指示を受けました。彼は磁石付きの義歯を装着していたため、歯科医院に相談したところ取り外しが可能な構造であると説明され、検査当日は義歯を外して無事に検査を受けることができたという実例があります。こうした対応は、歯科医師と検査施設の連携、そして患者本人の正確な自己申告によって成り立っています。
患者として取るべき行動はいくつかあります。まず、自身のインプラントや義歯が固定式なのか着脱可能な構造なのかを把握しておくこと。そして、使用されている金属がMRIにどの程度影響を及ぼすかについて、事前に歯科医師に確認しておくことも重要です。また、問診票に正確に記載することで、検査技師側も必要な対応を取ることができます。さらに、疑問点や不明点があれば、必ず歯科と検査施設の両方に確認を取りましょう。
実際の症例では、磁石を使った義歯や金属床のデンチャー、金合金のブリッジといった構造でも、取り外しが可能であれば問題なく撮影が行われています。使用されている金属の種類や検査部位によっても判断が分かれるため、正確な情報提供と適切な準備が重要です。
最近では、非磁性の純チタンを使用したMRI対応型のインプラントが広く普及しており、装着したまま検査を受けられる場合も増えてきています。このような素材であれば、磁場への影響が極めて少なく、安全性が高いとされています。
要するに、インプラントの有無が必ずしもMRI検査の障害になるわけではなく、事前の情報共有と適切な対応ができていれば、安全かつスムーズに検査を受けることは十分に可能です。不安を感じたときこそ、早めに歯科医院や検査機関に相談することが、安心につながる第一歩となります。
画像不良が起きたが診断に支障なかった例
インプラントを装着していても、MRI検査が常に不適切になるとは限りません。実際の医療現場では、「一部に画像ノイズが見られたものの、診断には影響しなかった」という報告が多数あります。つまり、インプラントがあるからといって必ずしもMRIが不可能になるわけではなく、素材や位置、撮影部位との関係によって十分に対応可能なのです。
たとえば、ある症例では、上下顎にチタン製のインプラントを合計4本装着している状態で、脳神経外科にて頭部のMRI検査を受けました。検査前には歯科医院でインプラントの素材と装着位置を確認し、医療機関にも申告。その結果、撮影中に不快感や異常な熱感はなく、画像には一部アーチファクト(白飛びや画像の乱れ)が生じたものの、脳腫瘍のスクリーニングという目的に対しては全く支障のない範囲で、診断は問題なく完了しました。
このようなアーチファクトは、インプラントの装着部位が顔面や脳の撮影範囲と重なる場合や、金合金やコバルトクロムなど磁性の高い素材が使われている場合、高磁場(3テスラ以上)の装置で撮影を行う場合などに発生しやすいとされています。しかし、すべてのケースで深刻な画像障害が起きるわけではなく、適切な素材や撮影手法を選ぶことで多くの検査は実施可能です。
たとえば、チタン製のインプラントが装着されている患者が頭部MRIを受けた場合、事前に申告してそのまま撮影を行ってもノイズは軽微で、診断に十分耐えうる画像が得られたという報告があります。また、金合金が使用されていたケースでは、MRIではなくCTに切り替えることで正確な所見が得られたという例もあります。さらに、セラミックインプラントのように非金属素材が使われている場合は、磁場の影響をほとんど受けず、画像への干渉もなく撮影が完了したという好事例も確認されています。
現在では、非磁性の純チタンやジルコニアなど、MRIとの相性が良い素材がインプラントに多く使われるようになってきており、こうした医療技術の進化が患者の安心にもつながっています。重要なのは、「インプラントがあるからMRIはできない」と決めつけず、自分のインプラントの素材や構造、装着位置を正確に把握し、検査を受ける前に歯科医師と放射線技師の双方に相談することです。
誤解から検査を回避してしまうことは、必要な診断の機会を失うことにもつながりかねません。だからこそ、自己判断ではなく専門家との連携が不可欠です。実際、多くの患者がこうした準備を経て、安全かつ的確な検査を受けることに成功しています。インプラントとMRIは両立可能であり、正しい理解と対応こそが、不安を解消し安心につながる第一歩なのです。
まとめ
インプラントを装着している方がMRI検査を受ける際には、多くの不安や疑問が伴います。金属が強い磁力に反応するのではないか、画像に乱れが生じて正確な診断ができないのではないかといった懸念は、実際に検査を控えた患者の多くが感じている現実的な悩みです。
しかし、近年の医療現場では、インプラントの素材や構造、装着部位に関する理解と管理が進み、チタン製をはじめとするMRI対応可能な素材の使用が広がっています。実際、歯科インプラントの多くはMRI検査において安全とされ、検査前に脱着可能な磁石付きのデンチャーやオーバーデンチャーを取り外すことで、撮影への影響を最小限に抑えるケースも報告されています。
また、画像不良が発生した場合でも、診断に支障が出なかった実例も存在します。例えば、上顎のインプラントが画像の一部に軽微な影を生じさせたものの、診断対象となる脳や神経領域の判別には問題がなかったとする報告は、実際のクリニックでも共有されています。
重要なのは、検査前に主治医と十分に相談し、インプラントの種類や装着状況を正確に伝えることです。特にチタン製や磁石付きの構造など、使用されている素材によっては追加対応が必要になるため、医師による判断が欠かせません。
インプラントとMRIの関係は一概に「できる・できない」で語れるものではなく、素材、装着位置、検査部位など複数の条件によって安全性と影響度が異なります。自身のケースがどのパターンに当てはまるのか、正しい知識と信頼できる情報をもとに判断することが、安心して検査を受ける第一歩となるでしょう。放置してしまうと、適切な診断の機会を失い、治療の遅れや予後の悪化といったリスクにつながる可能性もあります。今こそ、行動を起こすときです。
よくある質問
Q.MRI検査に対応しているインプラント素材はどれですか?
A.現在主流となっているチタン製のインプラントは、MRI検査でも安全性が高いとされています。特に純チタンは磁力による反応が極めて小さく、撮影画像への影響も最小限です。一方、磁石を含むオーバーデンチャーや金合金、セラミックの一部はMRI画像にノイズを発生させる可能性があるため、装着している素材の種類を事前に歯科医師に確認し、検査施設に申告することが重要です。
Q.「インプラント MRI 事故」と検索されるのはなぜですか?実際に事故は起きているのでしょうか?
A.インプラントによるMRI事故は極めてまれですが、「発熱」「金属の移動」「画像不良」などの懸念が検索されやすいため、不安が広がっています。過去には磁性金属を使用した古いタイプのデンチャーが発熱し、皮膚のやけどにつながった例もあります。しかし、現在のインプラント治療では安全性が向上しており、厚生労働省や日本磁気共鳴医学会のガイドラインでも対応方法が明示されています。正しい素材と事前申告によってリスクは大きく軽減できます。
Q.MRI検査前に必要な確認事項には何がありますか?
A.MRI検査を受ける前には、必ずインプラントの素材証明書やインプラント手帳を準備し、予約時に検査施設へ事前申告することが不可欠です。特にCT検査やMRI検査での磁場への反応を把握しておくことは、トラブル防止に直結します。また、インプラントの装着部位や構造が複雑な場合は、医院からの説明書類を持参すると、検査がスムーズに進みます。手続きにかかる時間は平均して10分から15分程度です。
Q.画像不良が出た場合、診断にはどの程度の影響が出ますか?
A.画像不良は、磁性を含むインプラントや入れ歯が原因で発生するケースがあり、特に上顎の奥に装着された金属は頭部MRIの一部に影響を与える可能性があります。しかし、臨床現場では画像の一部に軽微なノイズが入っても、診断に支障がなかった例が複数報告されています。とくに歯科領域に近い画像のみに限定されるため、脳神経外科のMRIでは問題がない場合も多く、医師の判断によっては画像補正や代替の検査方法が提案されることもあります。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室 CHIBA STATION
所在地・・・〒260-0031 千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉6F
電話番号・・・0120-087-318


