2025.05.04歯列矯正が保険適応になる条件とは?自由診療でも費用を抑える方法を解説
歯列矯正は基本的に自由診療とされ、健康保険は適用されません。そのため、治療費も高額になりやすく、数十万から数百万の料金がかかります。
ですが、なかには保険適用になる症例も少なからずあります。
今回は、歯列矯正が保険適用される条件や、自由診療でも費用を抑える方法などを解説いたします 。
歯列矯正で保険は基本的に適用されない
歯列矯正は自由診療とみなされ、基本的に健康保険は適用されません。保険適用となる場合もありますが、その場合は『健康や身体の機能性に影響ある場合のみ』とされています。
歯列矯正は審美性を重視する治療として行われることが多く、その場合、健康保険は適用外となります。
歯列矯正に保険が適応される条件
ですが、『健康や身体の機能に影響がある場合』の治療になると、保険適用になる場合があります。保険適用で治療を受けるためには、『対象の疾患であること』と『国に許可された医療機関で治療を受けること』が必要になります。
別に厚生労働大臣が定める疾患
歯列矯正が保険適用になる『対象の疾患であること』の症例は、日本矯正歯科学会のホームページで掲載されています。その症例を見ていきましょう
1 『別に厚生労働省が定める疾患』に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
2 前歯3本以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋没歯開窓術を必要とする者に限る)に対する歯列矯正
3 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
異常が日本矯正歯科学会のホームページに掲載されている対象の疾患です。これらについて、詳しく解説していきます。
先天性異常によるかみ合わせの問題
先天性異常による噛み合わせがある場合、歯列矯正を保険適用で受けることが可能です。
症例には下記の症状が当てはまります。
別に厚生労働大臣が定める疾患
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唇顎口蓋裂
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ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
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鎖骨頭蓋骨異形成
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トリーチャ・コリンズ症候群
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ピエール・ロバン症候群
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ダウン症候群
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ラッセル・シルバー症候群
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ターナー症候群
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ベックウィズ・ウイーデマン症候群
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顔面半側萎縮症
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先天性ミオパチー
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筋ジストロフィー
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脊髄性筋委縮症
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顔面半側肥大症
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エリス・ヴァンクレベルド症候群
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軟骨形成不全症
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外胚葉異形成症
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神経線維腫症
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基底細胞母斑症候群
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ヌーナン症候群
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マルファン症候群
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プラダー・ウィリー症候群
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顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
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大理石骨病
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色素失調症
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口腔・顔面・指趾症候群
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メビウス症候群
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歌舞伎症候群
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クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
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ウイリアムズ症候群
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ビンダー症候群
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スティックラー症候群
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小舌症
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頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)
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骨形成不全症
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フリーマン・シェルドン症候群
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ルビンスタイン・ティビ症候群
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染色体欠失症候群
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ラーセン症候群
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濃化異骨症
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6歯以上の先天性部分無歯症
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CHARGE症候群
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マーシャル症候群
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成長ホルモン分泌不全性低身長症
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ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)
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リング18症候群
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リンパ管腫
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全前脳胞症
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クラインフェルター症候群
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偽性低アルドステロン症
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ソトス症候群
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グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
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線維性骨異形成症
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スタージ・ウェーバ症候群
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ケルビズム
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偽性副甲状腺機能低下症
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Ekman-Westborg-Julin症候群
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常染色体重複症候群
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巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)
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毛髪・鼻・指節症候群(Tricho Rhino Phalangeal症候群)
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クリッペル・ファイル症候群(先天性頸椎癒合症)
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アラジール症候群
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高IgE症候群
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エーラス・ダンロス症候群
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ガードナー症候群(家族性大腸ポリポージス)
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その他顎・口腔の先天異常
出典:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
2025年5月現在は66の症例が保険適用となっております。2023年時点では61例だったので、今後保険適用となる症例が増える可能性もあるでしょう。
顎変形症による嚙み合わせの問題
子どもの永久歯が前歯において3本以上生えてこない場合も、保険適用対象の歯列矯正となります。ただしこれは、前歯が3本以上生えてこず、『埋状歯開窓術』が必要と判断された場合のみです。
前歯が3本以上生えてこないと、噛み合わせの不全が起こりやすくなります。
噛み合わせ不全は、保険適用となる「機能性の問題」に該当するため、保険の利用が可能です。
永久歯萌出不全による噛み合わせの問題
顎変形症により噛み合わせに問題がある場合も、保険適用となります。
ただし、顎変形症に由来するかみ合わせで歯列矯正をおこなう場合は、下顎切断が必要な症例のみ保険適用対象です。
保険適用を受ける際の注意点
保険適用を受ける際の注意点として、対象の症例である診断を受けただけでは保険適用による治療を受けることはできません。治療を受ける場合は許可された医療機関で、指定の治療を受ける必要があります。
例えば、マウスピース矯正は保険適用外で保険適用で治療を受けることができません。
そのような注意点について詳しく解説していきます。
矯正器具が限られる
保険適用で使用される矯正器具には限りがあります。そのため、マウスピース矯正のように受けられない治療も少なからず存在します。治療を受けたい際は、受けたい治療の器具が保険適用かどうかきちんと調べてから治療を受けましょう。
許可された医療機関で治療を受ける
保険適用で歯列矯正を受けるためには、国に許可された医療機関で治療を受ける必要があります。許可された医療機関は、HP『矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは』を参照にして、検索しましょう。
検索方法は以下になります。
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地方厚生(支)局一覧ページから、探しているエリアの厚生(支)局のホームページにアクセス
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サイト内検索などで、施設基準届出受理医療機関名簿へアクセス
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お探しのエリアの歯科のPDFファイルにアクセス
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『矯診』あるいは、『顎診』と記載のある指定医療機関を探す
※『矯診』は、下記1、2が保険適用される医療機関。「顎診」は下記3が保険適用される医療機関
①「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
②前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
出典元: 公益社団法人 日本矯正歯科学会
保険適用で歯列矯正をおこなう流れ
歯列矯正を保険適用で受ける流れは以下の通りとなっています
1 国に許可された医療機関を探す
2 カウンセリング
3 検査・診断
4 術前矯正 通院期間:半年~1年半
5 手術
6 入院期間:2週間程度
7 術後矯正 通院期間:半年~1年半程度
8 保定期間
まず、保険適用で歯列矯正を受ける場合は、国に許可された医療機関を探し出し、そこで治療を受ける必要性が出てきます。手術が必要な症例もあるため、通常の歯列矯正よりも期間が長くなる傾向にあります。
保険適用外の矯正費用
保険適用外の矯正費用は自由診療となるため、そのぶん料金も数十万から数百万と高額になりがちです。その場合の費用はいくらぐらいになるのか、全体矯正と部分矯正で目安を見てみましょう。
<h3>全体矯正</h3>
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表側矯正 |
裏側矯正 |
ハーフリンガル |
マウスピース矯正 |
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価格 |
60万~130万 |
100万~170万 |
80万~150万 |
60~100万 |
<h3>部分矯正</h3>
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表側矯正 |
裏側矯正 |
ハーフリンがる |
マウスピース矯正 |
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価格 |
30万~60万 |
40万~70万 |
35万~65万 |
10~40万 |
保険適用外で費用を抑える方法
保険適用外で歯列矯正を受けると、どうしても治療費は高くなってしまいがちです。その治療費を安く抑える方法をいくつか解説いたします。
医療保険控除
医療費控除とは、1年間支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる所得控除のことです。医療費が一定額を超えた場合、その分の控除を受けることができ所得税がその分安くなります。
総所得金額が200万以上だった場合は、10万円以上の支払いで控除を受けられます。総所得金額が200万未満の場合は、総所得金額の5%の金額が控除対象になります。
デンタルローン
デンタルローンとは、低金利で借りることができる歯科治療専門のローンのことです。歯列矯正に対応している歯科医院では、多くの場合デンタルローンの利用が可能です。利用できれば、治療費を分割で支払うことも可能です。
クレジットカードの分割払い
デンタルローンの他にクレジットカードで分割払いをする方法もあります。
クレジットカードの分割払いであれば、審査を受けなくても分割払いの利用が可能です。また、クレジットカードの支払いであればポイントなども多く貯まり、とてもお得です。デンタルローンの利用を考えている方でもしクレジットを利用している方がいれば、クレジットカードでの支払いも視野に入れていいかもしれません。
まとめ
本日は、歯列矯正が保険適用になる場合の条件について解説いたしました。
歯列矯正が保険適用になるには、『健康や身体の機能に影響がある場合』に症例が該当する必要があります。その上で、『対象の疾患であること』と『国に許可された医療機関で治療を受けること』が必要になります。
また、保険対象外であっても、医療保険控除を利用したりデンタルローンを利用することによって、分割払いにしたり費用を抑えることも可能です。
海岸歯科室では、保険適用の歯列矯正についてもご相談を承っております。歯列矯正をご検討の方は、是非とも当院をご利用ください。
監修:理事長 森本 哲郎


