2025.06.13総入れ歯とインプラントの違い!寿命と治療法も解説
総入れ歯とインプラント、どちらを選べば後悔しないのか。そんな悩みを抱えていませんか?
「総入れ歯は動いて噛みにくい」「インプラントは費用が不安」「高齢でもできるのか心配」、こうした声は、実際に歯をすべて失った多くの患者の間で聞かれています。
特に、手術や治療法、固定方法の違い、通院期間、装置の寿命、保険適用の有無など、判断材料は非常に多岐にわたります。
この記事では、総入れ歯とインプラントそれぞれのメリットとデメリットを比較しつつ、患者一人ひとりの生活スタイルや負担に合った治療法の選び方をまとめました。
総入れ歯とインプラント、どっちがいい?選択に迷う人のための完全比較
総入れ歯のメリットと限界(噛み心地・安定性・ケア性)
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に適用されるもっとも一般的な治療法であり、保険診療の範囲内で対応可能なケースが多いことから、多くの高齢者や治療費を抑えたい人に選ばれています。素材にはレジン床義歯、金属床義歯などがあり、見た目や装着感にある程度の幅を持たせることができます。近年ではノンクラスプデンチャーと呼ばれるバネのない入れ歯も登場し、審美性も向上しています。
保険適用される点は総入れ歯の大きな魅力のひとつです。保険診療であれば、費用を大きく抑えることができ、経済的な負担を軽減できます。特に高齢者や収入が限られる世代にとっては安心感のある治療法です。治療にかかる期間も比較的短く、初診から装着までは1〜2か月程度が一般的です。手術を必要としないため、体への負担が少ない点も特徴的です。
一方で、総入れ歯には明確な限界も存在します。まず、装着時の安定性に課題があり、顎の骨が痩せている場合や形状によっては入れ歯が浮いてしまう、外れてしまうといった不安定さが発生します。さらに、咀嚼力が天然歯と比較して大きく低下することが多く、硬い食べ物を避ける必要が生じたり、味覚が損なわれるという声もあります。
また、噛む力が弱いため顎への刺激が減少し、結果として骨吸収が進行しやすいという負の連鎖にもつながります。これは総入れ歯を長期間使用した際に見られる顎堤の退縮による問題であり、装着のたびに調整が必要となる要因にもなります。
ケアについても留意が必要です。総入れ歯は取り外し式であるため、日々の手入れが欠かせません。食べかすが義歯と歯茎の間に入りやすく、不衛生な状態が続くと口内炎や義歯性口内炎などのトラブルにつながるリスクがあります。特に夜間の装着については賛否両論あり、使用者の生活スタイルと健康状態に応じた判断が必要です。
このように、総入れ歯は費用の面では優れているものの、噛み心地や審美性、長期的な骨の健康を考えると、万人に最適とは言い切れません。自分の生活や価値観に応じて、総入れ歯の限界を理解した上で選択することが重要です。
インプラントのメリットと注意点(見た目・耐久性・リスク)
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工歯根を顎の骨に直接埋め込むことで、天然歯に限りなく近い機能と見た目を取り戻せる高度な治療法です。とりわけ、総入れ歯では得られない安定性や咀嚼力を実現できることから、若年層をはじめ、長期間の口腔機能を確保したいと望む多くの方に支持されています。
最大の魅力は、噛む力の回復力です。インプラントは最大80〜90%の咀嚼機能を再現できるとされており、入れ歯と比較して硬い食材でも違和感なく食べられるという利点があります。特に上下すべての歯をインプラントにする「総インプラント」や、4〜6本で全体を支える「オールオン4」などの方式は、総入れ歯からの切り替えを検討する方の候補となっています。
審美面でも非常に優れています。人工歯は天然歯のような白さや透明感を持つセラミックなどの素材が選べ、歯茎との境目も自然に見せることが可能です。固定式であるため、話す時の不快感やズレの心配もありません。
しかしながら、インプラントにはいくつかの注意点も存在します。まず、費用は自由診療となるため高額になりやすいです。また、保険適用の対象外であることが多く、経済的負担は総入れ歯よりも大きくなります。
手術を伴う治療であることも大きな違いです。インプラントは顎の骨に人工歯根を埋入する外科処置が必要であり、術後の腫れや感染リスクが生じます。さらに、糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患を持つ方には制限がある場合があるため、診療前の精密検査が不可欠です。
このように、インプラントには多くの利点がある一方で、費用や身体への負担、継続的なメンテナンスなどの観点から、生活スタイルと健康状態に合致するかどうかを総合的に判断する必要があります。
寿命・ケア・外観の違いを一覧化
インプラントと総入れ歯、それぞれの選択には明確な違いがあります。以下の比較表では、費用・寿命・ケア・外観・手術の有無などを一目でわかるようにまとめました。患者一人ひとりの状況や希望に応じて、自身にとって最適な治療法を選択する際の参考にしてください。
| 比較項目 | 総入れ歯(保険) | インプラント(自費) |
| 見た目の自然さ | △(人工的な質感) | ◎(天然歯に近い審美性) |
| 咀嚼能力 | △(硬い食べ物は難しい) | ◎(噛む力をほぼ回復) |
| 寿命の目安 | 約5〜10年 | 約10〜20年(定期ケア前提) |
| 手術の必要性 | 不要 | 必要(外科処置あり) |
| 骨吸収の防止 | ×(骨が痩せやすい) | ◎(刺激で骨の健康を維持) |
| ケアのしやすさ | △(取り外し式) | △(定期メンテナンス必須) |
| 適用対象 | 高齢者・持病のある方など | 健康状態良好な成人 |
このように、総入れ歯は費用と手軽さで優れていますが、インプラントは長期的な機能性と審美性、骨の健康維持において明らかな優位性があります。今後のライフスタイルや口腔の状態、予算などを総合的に考慮し、医師としっかり相談した上で治療を選ぶことが、後悔しないための第一歩となります。
年齢や症状別で見るインプラントと総入れ歯の適正判断
20代・30代で総インプラントは可能?リスクと適応症例
20代や30代でインプラント治療を検討する方は増加傾向にありますが、すべての症例がインプラントに適しているわけではありません。若年層が総インプラントを選択するには、いくつかの重要な検討事項があります。
まず、インプラント治療には外科手術が必要であり、術後の感染リスクやインプラント周囲炎の管理など、高度なセルフケア能力も求められます。若年層においては、将来的な再治療の可能性や、寿命の長さを考慮した場合、長期にわたるメンテナンス負担も考えなくてはなりません。
そのほか、20代〜30代の総インプラント治療における判断基準とリスク要素をまとめたものです。
| 判断項目 | 内容 |
| 顎骨の成長 | 20代前半は要検査での成長終了確認が必要 |
| 適応症例 | 事故や疾患による全顎的歯牙喪失に限る |
| 美容目的の適否 | 医学的適応とは異なる判断が求められる |
| 術後管理能力 | 高度なセルフケアが必要 |
| 長期的再治療リスク | インプラントの寿命と再治療時期に注意 |
さらに、金属アレルギーの有無、歯ぎしりの有無、喫煙習慣などの生活習慣も、インプラントの成功率に影響します。特にチタンアレルギーのリスクがある場合にはジルコニアインプラントなど代替材料の選択も視野に入れる必要があります。
総合的に判断すると、20代・30代の総インプラント治療は慎重を要する選択であり、症例によってはオールオン4などの部分的な負担軽減型治療、あるいはインプラント義歯や部分入れ歯の併用といった選択肢の方が現実的です。治療法の選定にあたっては、経験豊富な歯科医師による総合評価とカウンセリングが不可欠です。
40代・50代に多い「部分入れ歯+インプラント併用治療」
40代・50代は、虫歯や歯周病、破折などによる部分的な歯の喪失が目立つ年代です。この年齢層において主流になりつつあるのが、「部分入れ歯とインプラントの併用治療」です。特に、費用対効果や治療後の機能回復の面で、非常に現実的かつ高評価な治療法とされています。
部分入れ歯は保険適用の範囲内で提供できるため、初期コストを抑えやすいという利点があります。しかし、金属バネ(クラスプ)による審美性の低下や、安定性に課題が残ります。これに対し、インプラントを数本だけ併用することで、義歯の固定力を格段に高め、見た目にも自然な仕上がりを実現できます。
以下は、40代・50代における代表的な併用治療の例は以下の通りです。
| 治療法 | 内容 |
| インプラント+部分入れ歯 | 数本のインプラントで入れ歯を支える構造 |
| オーバーデンチャー | アタッチメントを用いてインプラントに入れ歯を固定 |
| バルプラスト+インプラント併用 | 柔らかい樹脂素材で審美性と快適性を両立した義歯 |
このように併用治療は、審美性と実用性を高水準で両立できる点が魅力です。また、経済的な観点からも、一度に全顎治療を行う必要がなく、段階的な治療プランが可能であるため、予算に応じた柔軟な対応がしやすいというメリットがあります。
治療期間については、インプラントの埋入後に定着期間を要するため、通常3か月から6か月程度の治癒期間が発生しますが、その間は仮義歯などで生活に支障をきたさない工夫も可能です。
40代・50代は、仕事や家庭などで忙しい時期であることも多く、通院頻度やアフターケアのしやすさも重要な要素です。併用治療では通院回数を最小限に抑えながらも、長期的な安定性を確保できる点で、生活スタイルに合った治療として支持を集めています。
高齢者(60代〜70代以上)は?骨量と健康状態の影響
60代〜70代以上の高齢者において、インプラント治療が可能かどうかは、年齢そのものよりも全身の健康状態や顎骨の量・質によって左右されます。年齢が進んでいても、骨密度が保たれ、糖尿病や高血圧などの持病がコントロールされていれば、十分にインプラントが可能です。
特に、インプラントの埋入には「骨結合」が不可欠であり、骨量不足がある場合は「骨造成術」や「サイナスリフト」などの補助手術が必要になります。高齢者においてはこれらの処置の可否が重要な判断材料となります。
高齢者のインプラント適応に関わる主な評価ポイントは以下の通りです。
| 評価項目 | 内容 |
| 骨量・骨質 | 骨密度が十分であれば高齢でも埋入可能 |
| 全身疾患の有無 | 糖尿病・心疾患・脳血管疾患の有無と管理状況 |
| 服薬状況 | 骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート系)等の影響 |
| 術後メンテナンス力 | 日常的な口腔ケアの意識と能力の有無 |
| 医師との連携体制 | 担当医の経験と緊急対応の可否 |
高齢者にとって最大の懸念は、手術への耐性と術後のトラブル発生時の対応です。そのため、局所麻酔での短時間手術や、即時荷重に対応した治療設計など、身体への負担を最小限に抑える工夫が必要です。
また、オールオン4などの固定式デンチャーは、骨の吸収が進行している高齢者でも、限られた本数のインプラントで全顎的な咀嚼機能を回復できるため、選択肢として非常に有効です。
結果として、高齢であっても適切な診断と計画により、安全にインプラント治療を行うことは可能であり、入れ歯との比較でもその利便性や快適性から高く評価されています。大切なのは、「年齢」で判断するのではなく、個々の身体状況や生活環境に即した判断を行うことです。
インプラントの基礎知識と治療の流れ!不安を解消する完全解説
インプラントの構造と仕組み!ネジ型チタン体の特徴
インプラントは、失われた歯を補うための人工歯根治療として広く普及していますが、その構造や仕組みを正しく理解している人は少なくありません。ここでは「ネジ型チタン体」と呼ばれる構造の詳細や、インプラント治療に使用される素材、そして骨と結合するプロセスまでをわかりやすく解説します。
まず、インプラントの基本構造は大きく三つに分かれます。
- 顎の骨に埋め込まれる「インプラント体(フィクスチャー)」
- 上部構造とフィクスチャーを連結する「アバットメント」
- 人工の歯として機能する「上部構造(クラウン)」
この中でも「フィクスチャー」は、一般的にチタンまたはチタン合金製で作られており、スクリュー形状(ネジ型)をしています。この形状が、骨との初期固定力を高め、治療成功率を高める要因の一つとなっています。
チタンは生体適合性が非常に高く、人体にアレルギーを起こしにくい素材です。人工関節や医療機器にも広く使われており、安全性が確立されています。この素材が骨と一体化する現象を「オッセオインテグレーション」と呼びます。
オッセオインテグレーションとは、埋入されたインプラント体が骨と物理的に結合し、まるで天然の歯根のように安定するプロセスです。これにより、インプラントは強い噛み合わせ力に耐え、長期にわたる使用が可能となります。
以下の表は、インプラントの各構成要素とその役割を整理したものです。
| 構成要素 | 主な素材 | 役割 |
| フィクスチャー | チタン | 顎骨に固定される人工歯根 |
| アバットメント | チタン | 上部構造と連結 |
| 上部構造 | セラミックなど | 歯の見た目と咀嚼機能を再現 |
インプラントの形状は様々ですが、現在主流となっているのは「スクリュー型インプラント」です。これはネジのように回転しながら骨に埋め込まれ、初期の安定性に優れています。また、表面には微細な加工が施されており、骨の成長を促進しやすくなっています。
近年では、ナノレベルでの表面処理や、骨形成促進物質の塗布など、技術革新が進んでいます。これにより、治療成功率がより一層高まり、患者の満足度向上にもつながっています。
なお、チタンはMRIなどの医療検査にも影響を与えない非磁性体であり、体内にインプラントを埋入しても生活に支障が出ることはほとんどありません。
インプラントの耐久性も注目されるポイントです。良好なメンテナンスを継続すれば、10年以上にわたり安定して使用できるという報告も多数あります。これは義歯やブリッジと比較しても大きなメリットです。
このように、インプラントの構造と素材は、見た目だけでなく機能性、安全性、長寿命性においても非常に優れた治療法であることがわかります。歯を失った際の選択肢として、信頼性の高い治療であることは間違いありません。
治療のステップ(初診〜埋入〜上部構造装着)
インプラント治療は、短期間で完結する処置ではなく、複数のステップを経て安全かつ確実に進められます。ここでは、初診から上部構造の装着までの全体的な流れと、それぞれの段階で患者が準備すべきことを丁寧に解説します。
まず、インプラント治療の全体フローを把握することが大切です。以下の表は、一般的な治療工程とその期間、特徴をまとめたものです。
| 治療ステップ | 内容 | おおよその期間 |
| 初診・カウンセリング | 口腔内検査、X線・CT診断、治療計画 | 1回(60〜90分) |
| 精密検査・治療計画 | 骨量・神経・病歴の確認、費用の相談 | 1週間以内 |
| 抜歯(必要時) | 抜歯処置+経過観察 | 1〜3ヶ月 |
| 一次手術(埋入) | チタンインプラント体の埋入 | 1時間前後 |
| 治癒期間 | 骨との結合を待つ(オッセオインテグレーション) | 2〜6ヶ月 |
| 二次手術(アバットメント装着) | 歯肉切開とアバットメントの露出・装着 | 1〜2週間 |
| 型取り・上部構造作製 | 人工歯を作るための型取りと技工 | 2〜4週間 |
| 上部構造装着 | 完成した人工歯(クラウン)の装着 | 30分〜1時間 |
このようにインプラント治療は、各ステップで精度と慎重さが求められる高度な歯科医療です。スムーズに進行させるためには、患者自身の協力も不可欠です。
特に、術後の自己管理やメンテナンスへの意識が成功率に直結します。クリニックの定期検診を受けるだけでなく、日々のセルフケア(正しいブラッシング、フロスの使用、禁煙など)も重要です。
また、すべての工程が完了するまでの期間や費用には個人差があるため、無理なく通院できるスケジュール設計もポイントです。
オールオン4とは?総入れ歯や通常インプラントとの違い
オールオン4の仕組みと適応条件
オールオン4は、すべての歯を失った方や、残っている歯の保存が困難な方に対して行われる最新のインプラント治療法の一つです。この治療法では、片顎にわずか4本のインプラントを埋入し、その上にすべての人工歯を一体化した固定式の補綴物として装着することで、咀嚼機能と審美性を回復させます。従来のインプラント治療に比べて少ない本数で済むため、手術の負担が軽減されることが特徴です。
従来は、全顎にわたる歯の欠損には10本前後のインプラントを必要とし、手術の回数や期間、治療費の面でも患者への負担が大きいものでした。しかし、オールオン4はインプラントの角度と位置を戦略的に設計することで、骨量が限られている方にも適用が可能となっています。特に上顎の後方部など骨量が少ない部位では、斜めにインプラントを挿入する「傾斜埋入」により骨造成を回避できるケースも多く報告されています。
オールオン4に適応される主な条件は以下の通りです。
- 残存歯がほとんどなく、全体的に重度の歯周病や損耗が認められる
- 骨量が十分ある、または傾斜埋入が可能な骨質を有する
- 全身的に手術が可能な健康状態を維持している
- 長期間のメンテナンス意欲があり、口腔衛生の意識が高い
また、喫煙者や糖尿病、骨粗しょう症などの既往がある方でも、事前の全身評価や生活習慣の改善によって適応可能となる場合があります。
次の表は、通常の総入れ歯との機能比較を簡単にまとめたものです。
| 比較項目 | オールオン4 | 総入れ歯 |
| 固定方法 | インプラントによる固定 | 吸着または粘着剤による保持 |
| 安定性 | 高く、ずれにくい | 外れやすく、食事中に動くことがある |
| 咀嚼機能 | 自然歯に近い咀嚼力を発揮 | 咀嚼力は天然歯の約2~3割程度 |
| 適応年齢・状態 | 骨量と健康状態に応じて幅広く対応可能 | 手術を希望しない高齢者などに多く適応 |
| 寿命 | 適切なケアで10年以上維持可能 | 経年劣化により数年で再作成が必要 |
オールオン4は、治療の革新性と機能性を併せ持つ手法として注目されています。見た目の自然さも高く、表情や発音、咀嚼時の違和感を軽減できるため、生活の質(QOL)を向上させる手段として有望です。治療の適応判断には歯科医師によるCT撮影や模型分析が不可欠であり、信頼できるクリニックでの診断が推奨されます。
総インプラントとの違いを治療本数・費用・期間で比較
総インプラント治療とオールオン4は、いずれも口腔内全体の歯をインプラントで補う手法ですが、そのアプローチには大きな違いがあります。もっとも顕著な相違点は「埋入するインプラントの本数」「費用負担」「治療期間」などです。
それぞれの特徴をまとめると以下の通りです。
| 比較項目 | オールオン4 | 総インプラント |
| インプラント本数 | 上顎・下顎 各4本(最小限) | 欠損部位ごとに6~10本以上 |
| 治療期間 | 短く、1日で仮歯を装着できることも可能 | 1年近くかかることもある(段階的な治療) |
| 治療費 | 比較的抑えられる | 本数に比例して高額になる |
| メンテナンス性 | 装置が一体型のため効率的 | 部分ごとのケアが必要 |
| 手術の負担 | 手術回数は1回で済むことが多い | 複数回の外科処置が必要になる場合あり |
| 対応する症例範囲 | 骨量が少ない症例にも対応しやすい | 骨量・骨質によって制限される場合がある |
総インプラントでは、残存歯の本数や場所に応じて1本ずつ独立した人工歯根を埋入するため、咀嚼圧の分散や力学的安定性には優れています。しかしながら、治療費用が増加しやすく、骨造成や複数回の手術が必要となるケースも少なくありません。
一方、オールオン4は埋入位置と角度を調整することで、最小限の本数でも全顎の補綴が可能です。治療計画がシンプルで、外科処置も一度で済むことから、身体的・経済的負担を軽減したい方には非常に適した選択肢といえるでしょう。
総インプラントと比較したときのオールオン4の主な利点は以下の通りです。
- 治療全体の費用を抑えやすい
- 術後すぐに仮歯で日常生活に戻れる可能性
- 治療期間が大幅に短縮される
- 一体型構造で手入れがしやすく、外れにくい
ただし、全ての患者にとって最適とは限らず、骨質や健康状態、希望する機能性に応じて選択肢を慎重に見極めることが重要です。
インプラントと入れ歯の併用治療(オーバーデンチャー)という選択
2本のインプラントで固定する義歯とは?
インプラント治療において、すべての歯を失った方に対して用いられる選択肢のひとつが「オーバーデンチャー」です。これは、2本から数本のインプラント体を埋入し、それを支えとして入れ歯(義歯)を安定させる治療方法です。特に経済的負担を抑えつつ、機能性を高めたい患者にとって注目されています。
この方式では、完全な固定式インプラントと異なり、比較的少ない本数のインプラントで義歯を支えるため、外科手術の負担や費用が軽減されるという大きな利点があります。通常、下顎に2本のインプラントを埋入し、義歯の内面に取り付けられた留め具と連結させることで、外れにくく、ズレにくい構造を実現します。
従来の総入れ歯は、歯茎と粘膜に吸着させて保持しますが、顎の骨が痩せてくると安定性が低下し、食事中にズレたり、話しにくくなることが多く見られます。一方、インプラントを利用したオーバーデンチャーは、骨と結合したインプラントによってしっかりと義歯を固定するため、食事中の動揺や発音への影響が大幅に軽減されます。
2本のインプラントを用いたオーバーデンチャーと、従来の総入れ歯との比較してまとめました。
| 比較項目 | オーバーデンチャー(2本) | 従来の総入れ歯 |
| 安定性 | 高い(ズレにくい) | 低い(外れやすい) |
| 外科的侵襲 | 少ない | 不要 |
| 保険適用の可能性 | 低い(自由診療中心) | 高い(保険適用あり) |
| 噛む力の伝達 | 骨に直接伝わる | 粘膜に負担がかかる |
| メンテナンス頻度 | 中程度 | 高い(調整頻度多め) |
オーバーデンチャーは、機能性と経済性を両立した選択肢として、特に高齢者や手術に不安を感じる方に適しています。総入れ歯の不快感やズレ、噛む力の低下に悩む方には、2本のインプラントで支える義歯が現実的かつ効果的な治療法となるでしょう。正確な適応判断は歯科医院での精密検査が必要です。
着脱型 vs 固定型!生活スタイルに合う選択とは?
インプラントと義歯を組み合わせた治療には、「着脱型(オーバーデンチャー)」と「固定型(ブリッジタイプ)」の2つの方法があります。どちらも歯を失った方にとって有効な治療法ですが、生活スタイルやメンテナンスのしやすさ、費用面、審美性といった観点から選択肢は大きく変わります。
まず、着脱型はその名のとおり、自分で簡単に取り外しができる義歯で、清掃がしやすく、ケアが楽という点が大きな特徴です。一方、固定型はインプラント体に直接連結されたブリッジを使用するため、通常の天然歯のように違和感なく使える点がメリットです。
着脱型と固定型のインプラント義歯について、複数の視点から比較してまとめました。
| 比較項目 | 着脱型(オーバーデンチャー) | 固定型(インプラントブリッジ) |
| 使用感 | やや異物感あり | 天然歯に近い感覚 |
| 清掃のしやすさ | 義歯を外して洗える | ブリッジ下部の清掃が難しい |
| メンテナンス性 | 日常のケアが容易 | プロによる定期的な清掃が必要 |
| 審美性 | 留め具が見えることもある | 自然な見た目 |
| 手術の規模 | 少数本で済む(2〜4本) | 複数本(6本以上)の埋入が多い |
| 生活負担 | 着脱の手間がある | 着脱不要で快適 |
| 費用 | 比較的安価 | 高額になりやすい |
このように、着脱型は費用や清掃のしやすさに優れ、固定型は快適性と見た目で優れています。自身の生活スタイルや口腔内の状態、予算によって最適な選択は異なります。
代表的な生活スタイルごとの選び方
- 仕事や人前に出る機会が多い方
固定型がおすすめです。会話中の見た目や発音の自然さが重視されるためです。 - 清掃を重視したい方
着脱型が適しています。義歯を外して細かい部分まで洗浄できるため、清潔に保ちやすいです。 - 費用を抑えたい方
初期費用が比較的低い着脱型を検討する価値があります。インプラントの本数が少なくて済むため、治療費が抑えられます。 - 体調や年齢的な制限がある方
外科的な侵襲を最小限に抑えられる着脱型は、身体への負担が少ない治療法となります。 - 審美性を重視する若年層や中高年層
前歯の見た目を重視するなら、固定型が自然な仕上がりを期待できます。
義歯の選択において、着脱型と固定型はそれぞれ異なる魅力を持ちます。短期的な費用やケアの簡便さを重視するなら着脱型、日常の快適さと見た目を重視するなら固定型が選ばれます。歯科医師との相談の上、自身のライフスタイルに最も適した治療法を選ぶことが、満足度の高い結果につながります。
まとめ
総入れ歯とインプラント治療、それぞれの違いや選択肢に迷う方に向けて、本記事では最新の治療法や費用面、固定方法、メンテナンス性など多角的な視点から情報を提供してきました。とくに注目すべきは、オールオンやオーバーデンチャーといった近年の進歩により、従来は難しかった骨量の少ないケースや高齢の方でも、より負担を抑えて快適な人工歯の装着が可能になってきている点です。
インプラント治療では一般的に4本から6本の固定用インプラントが必要とされますが、オーバーデンチャーでは2本のインプラントで義歯を安定させるケースも増えており、費用や通院回数の面でも現実的な選択肢となっています。
費用を抑えたい方、外科手術に不安がある方、自分に合った治療法を見極めたい方へ。「すべて抜歯するのは怖い」「通院が大変そう」「何が違うのか分からない」と感じていた方でも、この記事を読むことで判断の軸を持つことができたのではないでしょうか。
総入れ歯とインプラントは、どちらが優れているかではなく、どちらが今の自分のライフスタイルに合っているかが重要です。ぜひ信頼できる歯科医や専門クリニックで相談し、後悔のない治療選びを進めてください。信頼性と実用性のある情報をもとに、納得のいく一歩を踏み出しましょう。
よくある質問
Q. インプラントの治療期間はどのくらいかかりますか?
A. 治療期間は症例によって異なりますが、一般的には初診からインプラント埋入、上部構造の装着までにおよそ3カ月から6カ月程度が必要とされます。骨造成や抜歯後の治癒を伴う場合は、さらに数カ月延びることもあります。一方、総入れ歯の場合は型取りから装着までが2週間から1カ月ほどで完了することもあるため、時間に制約がある方には入れ歯治療の方が短期間で対応しやすいと言えます。
Q. 骨が少ない人や高齢者でもインプラント治療は可能ですか?
A. 骨量が少ないケースでも、現在では骨造成やオールオン4といった方法で治療可能なことがあります。特にオールオン4は、4本のインプラントで義歯を支える設計のため、従来は難しいとされた高齢者や骨密度が少ない方でも対応可能な場合があります。実際に70代後半の方でも成功例は多くあり、年齢だけで選択肢を狭める必要はありません。ただし、全身の健康状態や口腔内の状況による適応判断は専門の歯科医院での診察が必須です。
Q. オーバーデンチャーはどのような人におすすめですか?
A. 費用を抑えつつ、インプラントの固定性も求めたい方に非常に人気のある治療法です。通常のインプラント治療では6本以上の埋入が必要な場合が多いのに対し、オーバーデンチャーでは2本のインプラントで義歯をしっかり固定できるため、負担が軽減されます。治療費用も比較的抑えられ、着脱可能なため清掃性にも優れています。生活スタイルに合わせた柔軟な選択ができる点も大きなメリットといえるでしょう。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室 CHIBA STATION
所在地・・・〒260-0031 千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉6F
電話番号・・・0120-087-318


